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放射線治療後に再発・再燃した前立腺がんの治療法


放射線治療は手術療法に比べて出血のないリスクの低い治療法と考えていいでしょう。しかし、放射線治療後に再発・再燃した場合の治療法の選択肢は狭くなってしまうことを予め知っておくべきです。放射線治療後の治療法について詳しく説明していきます。

トランプのカードを持つ男性

放射線治療後、再発・再燃での治療について

放射線治療後は臓器同士が癒着を起こし、臓器の境界がわからなくなるので手術中のリスクや術後のQOLの著しい低下を招く恐れがあるため、救命のためにどうしても手術が必要という場合を除き、再発時の治療には通常はホルモン療法を選択することが多くなります。

◎ホルモン療法

ホルモン療法は、どのステージでも選択することが可能なため、再発・再燃の際も行われる治療法ですが、肥満、骨粗鬆症、糖尿病、高血圧、関節痛、意欲の減退などの副作用が起こりやすいため、治療開始後、PSA値が下がって安定したら、数か月間、薬の使用を休み、PSA値が上がったら、ホルモン療法を再開する「間欠療法」で副作用を減らすことがあります。

◎PSA監視療法

PSA値の定期的な測定自体は、どの治療法後においても取られている経過観察です。治療方法や治療前の悪性度や病期、また再燃時のPSA値上昇スピードにもよりますが、放射線治療後に再燃をした場合にも、しばらくは治療をしないPSA監視療法が引き続きとられることもあります。特に高齢の患者さんの場合、治療による合併症がなく、QOLが維持できるPSA監視療法のメリットは大きいといえます。

◎化学療法(抗がん剤治療)

一口に化学療法といっても、生活スタイルや病期によって取り入れ方が異なります。他のがんの場合は、最終的な治療法のイメージが強い抗がん剤治療も、前立腺がんの場合は早い段階からがんの進行を遅らせたり、再発や再燃の予防として投与されることがあります。放射線治療後の再燃時にはホルモン療法で充分な効果が得られなくなった場合に用いられることがあります。前立腺がんで使われる抗がん剤はイチイ属の植物から発見された化合物のタキサン系抗がん剤を主に使用しますが、骨髄抑制のほか、むくみ、吐き気、倦怠感、手足のしびれなどの副作用が生じる場合があるので、副作用を抑える薬と併せて効果的に使用することが重要です。

◎治療の選択について

治療法の選択に関しては、患者さん自身のライフスタイルや価値観も含め、医師からの詳しい説明のもと検討していることと思いますが、最初の治療法選択は非常に大きなウエイトを占めているといっても過言ではありません。手術か放射線かを選び、どちらの場合も再発・再燃しなければもちろん問題はないのですが、その後のリスクを考えると、再治療の方法も視野にいれる必要があります。初めの治療法に放射線治療を選んでしまうと再治療の際に手術は選択できないのが一般的で、たとえロボット手術・ダヴィンチであっても難しいといわれています。従って、年齢的に再発・再燃した場合のリスクが大きい患者さんは最初の治療で手術を選択し、再発・再燃をした場合に、再治療で放射線+ホルモン療法という流れを選ぶ方が多くなります。

未来の治療法!? 「前立腺がんを凍らせて壊死させる」治療法に期待

2015年10月に慈恵医大病院(東京都港区)より、前立腺がんの新治療法の臨床研究を始めたことが明らかにされました。これは、前立腺がんのがん細胞をマイナス40度に冷却して壊死させる凍結療法で、骨盤内にある前立腺に患者さんの肛門付近から特殊な細長い針を数本刺して、凍結用のガスを注入するという国内初の臨床研究です。既に1例目を実施しており、最初に放射線治療を行った後、前立腺内にがんが再発した患者さんが対象。現在、放射線治療後に再発をした患者には、外的手術は行わないため、男性ホルモンの分泌を抑えるホルモン療法が行われるのが一般的です。

しかし、薬を使用し続けることで、骨粗しょう症や糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などの副作用が起こる恐れがあるといわれています。同病院では今後1年以内に、5人程度の患者に臨床研究を行い、安全性や有効性を確かめ、国の先進医療として申請する構えです。もちろん合併症などについてはある程度長期的な臨床データも必要となるとは思いますし、治療費用の面でも保険適用となるまで多少の時間がかかるかもしれませんが、安全性と有効性が確認できれば、ホルモン療法以外の選択肢も広がり、患者さんのQOLにも大きく貢献できる新しい治療法として、注目を集めることでしょう。今後の臨床研究の展開に期待が高まります。
参照元:yomiDr.

手術療法の分野ではロボット手術・ダヴィンチの登場により、技術の進歩が著しいのですが、放射線治療においても技術の進歩は目覚ましく、以前に比べ周りの正常細胞を傷つけず高い線量でがん細胞に集中して治療を行うことができるようになってきました。手術と比べても、再発率にほぼ差はないというデータも報告されています。患者さんは自分にとっては、どの治療法がベストなのかを医師と相談し、治療後のQOLや再発・再燃時のことも納得のいくまで追求して、選ぶことが大切です。


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