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前立腺がんと動物性脂肪の関係


動物性脂肪は、前立腺がんの発症に大きな影響を与えているとされています。ではいったいどのようにして動物性脂肪は前立腺がんの発症に関わっているのでしょうか?

牛乳

動物性脂肪とは

動物性脂肪とは動物に含まれる脂肪のことをいい、運動などの身体活動の大きなエネルギー源となります。1日の摂取目安量は約50gが理想的とされており、適量を摂取することで血管を強くし、脳卒中や心臓病の予防に効果が期待できるといわれています。しかし、摂り過ぎは生活習慣病のリスクになるので注意が必要です。動物性脂肪を特に多く含む食品には、牛乳、乳製品、肉類が代表として挙げられます。また、チョコレート、ケーキ、アイスクリーム、ドーナツといった洋菓子類にも多く含まれています。米国コーネル大学のキャンベル教授は1983年から20年間、動物性脂肪の摂取と様々ながんの関連性を調査し、徹底した疫学調査の結果、肉、たまご、乳製品とがんとの関係を公表し、大きな注目を集めました。その著書の中で、よくない脂肪として、動物性脂肪全般とサラダ油、コーン油などが挙げられています。具体的にはどのような食品に含まれているのかを見てみましょう。

よくない脂肪の一例

牛乳
健康的なイメージの強い牛乳ですが、動物性脂肪依存型の前立腺がんにとっては、危険度の高さで首位を独走する食品なのです。牛乳コップ一杯分の動物性脂肪はベーコン5枚分に相当するといわれています。日本よりも前立腺がんの多い米国では、すでによく知られており、スーパーなどで売られている牛乳のほとんどが、「無脂肪」か「低脂肪」です。カルシウムを摂らないと骨粗鬆症が心配といった声も聞こえてきそうですが、カルシウムは小松菜など牛乳以外の食品からも摂ることが可能です。もちろん成長期においての牛乳は有益ですし、発育段階では動物性脂肪依存型のがんが出来る可能性は極めて低いので問題はありません。
ヨーグルト
これも牛乳と同じく脂肪食であることに変わりはありません。腸内細菌を強化するというメリットはありますが、それならば低脂肪ヨーグルトでも事足ります。ただし、低脂肪ヨーグルトの場合は糖分が高めであることが多いので注意が必要です。できるだけ脂肪分と糖分の少ないプレーンヨーグルトを選びましょう
フライドチキン
豚や牛に比べてヘルシーなイメージを抱いている人も多いかもしれませんが、鶏の脂を加熱したものを多く摂取すると、前立腺がんの進行のリスクが高まることが全米を対象とした前立腺がん治療調査で明らかになりました。

動物性脂肪摂取量と発症率は比例する

国別の脂肪摂取量と前立腺がんの発症率は比例している関係にあります。大きく分けて、動物性、植物性、魚の油の3つに分けられ、それぞれがバランスよく摂れているのが望ましいのですが、現代の日本人の食生活では、オメガ6系(リノール酸)の摂り過ぎでバランスが崩れているといわれており、同じ油でも、オメガ3系の脂肪を含む魚の油や、オメガ9系の脂肪を含むオリーブオイルなどは健康増進作用が期待できることから、むしろ摂取が推奨されています。

milkgraph

日本人の脂肪摂取量が増えている背景

これまで和食中心の生活を送ってきた日本人ですが、この60年間で多くの脂肪を摂取するようになりました。日本の国立がん研究センターが四万三千人を追跡した大規模な調査でも、乳製品の摂取が前立腺がんのリスクを高めることが示されています。また、日本からハワイに移住した日系人を調査すると、日系二世の方々の前立腺がんの発症率は、ちょうど日本と米国の中間になっていることから、元々の人種の差はあっても、生活様式や食生活が米国流になることが影響していることがうかがえます。戦後の食生活の欧米化による脂肪摂取量の増加が、前立腺がん増加の一因であると考えられます。

脂肪が前立腺がんの栄養に

がん細胞も増殖するためには栄養が要りますが、がんの種類によって、必要とする栄養も異なります。前立腺がんや乳がんは私たちが摂取した食べ物の脂肪から栄養を摂って増殖します。つまり、脂肪依存型、特に動物性脂肪依存型のがんです。前立腺がんや乳がんのように脂肪に依存するものもあれば、胃がんや肺がんのように炭水化物に頼っているものもあります。前立腺は肝臓の数倍のコレステロールを取り込んでおり、前立腺がんの患者さんは相当進行した状態でもあまり痩せることはありません。一方、肺がんや胃がんの場合は、いくらご飯を食べてもそこに含まれる炭水化物のカロリーをがんが消費してしまうので、病気が進行するに従って痩せていくのです。炭水化物依存型のがんの場合、完全な絶食は無理としても、炭水化物摂取量を極限まで減らして、がんを兵糧攻めにするミイラ療法でがんが小さくなったという報告もあります。同様に、前立腺がんの場合は動物性脂肪の摂取量を抑えることで病気の進行を抑えることにつながるのです。

食生活を見直してみませんか?

前立腺がんの予防に向け、食という視点から様々な疫学研究が行われています。脂肪のなかでも、最も危険だと考えられているのが牛乳です。40歳を過ぎたら低脂肪や無脂肪をおすすめします。また、積極的に摂取することで予防の効果が確認されている食品もあります。

トマト、ワイン、大豆は積極的に摂ろう

トマトとワインには抗酸化作用のあるリコピンやレスベラトロール、大豆には腸内細菌の作用で発がん作用を抑えるエコールという物質に変わる大豆イソフラボンが含まれています。これまでの研究で最もエビデンスがある食品はトマトです。大豆も前立腺がんに予防効果が高いとされています。これまで、アジアの国々で前立腺がんが少なかったのは、大豆からタンパク質を摂取していたからだと考えられています。特に発酵している味噌や納豆よりも、豆腐や枝豆や煮豆が良いようです。ただし、注意したいのは大豆を極端に摂取すると逆効果になりかねない点です。大豆には女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があり、大豆の摂取量が多すぎると男性ホルモンのテストステロンの働きを邪魔して「悪いがん」を作る素因となる危険性があります。大豆ばかりを食べるようなことでもない限り問題はありませんが、常識の範囲内で適度に摂取することを心がけてください。


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