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密封小線源療法を分かりやすく解説します


小線源治療(ブラキセラピー)とは短い放射線での治療法という意味で、それを密封=カプセルに入れて体内に埋め込む放射線治療の一種です。小線源療法のメリットやデメリットも解説します。
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密封小線源療法とは

密封小線源治療とは放射性物質を封入したシードと呼ばれる小さな線源を50本~100本ほど、前立腺のなかに埋め込み、がんに微弱な放射線を昼も夜も連続して浴びせ続ける治療法です。埋め込む位置は、コンピューターを用いて決められます。主に、尿道や直腸など周辺の臓器への影響が少なく、治療効果が高い場所が選ばれます。線源から数ミリの範囲で放出される放射線は徐々に少なくなり、1年くらいで放出はなくなります。純チタン製のカプセルは永久に前立腺に残ります。しかし、放射線を体外から照射する外部照射だと、放射線にあたって被害を受けた正常細胞の回復をはかるために、1日2~3分の照射を7~8週間にわたって照射する分割照射が必至です。一方で、密封小線源治療の場合は、治療時間が1時間半で済み、入院期間は長くても3~4日で充分です。治療にともなう痛みや苦痛は少なく、副作用や合併症もあまり重篤な問題になることがありませんが、しばらくの間、尿道狭窄による排尿トラブルが起こることがあります。治療後半から3年の晩期に起こる場合もあるので、医師によく相談をしてください。尿の出にくさの症状が強いときには内服薬での治療を行うこともあります。

小線源療法を選択可能なステージ(進行度)は?

密封小線源療法は、放射線が線源のすぐ近くにしか届きません。直腸指診や画像診断などでがんが前立腺内に限局していると診断された場合、すなわち病期ステージBに適応した療法になります。ただし限局がんであっても、PSA値が高かったり、グリーソンスコアが高い場合は病巣の進展が予想されるので、外照射療法を併用し、必要に応じてホルモン療法も検討しながら治療が行われます。

根治は目指せるの?

密封小線源療法の治療は病期ステージBかつ、グリーソンスコアの合計が6以下で、PSA値10ng/ml以下、の場合に根治の可能性が高いと考えられます。

退院後に注意することは?

密封小線源療法は3~4日で退院ができ、退院後も普段の生活には支障はほとんどありませんが、尿が出にくくなることがあります。シード線源からの放射線は、ほとんどが前立腺内で吸収され、体外に放出される量は微量です。また、線源からの放出も1年を目安になくなります。そのため、周囲の人への影響は非常に低いものですが、一定期間は小児を含めて周囲の人への配慮をする必要があります。治療者は線源が体内にあることを記した治療者カードを治療後1年間携帯することが義務付けられています。他の疾患で診療を受ける際には、小線源療法を受けていることを説明し、1年以内に何らかの手術を受ける場合には、その主治医から小線源治療を実施した担当医師への連絡が必要となっています。

小線源は永久に体の中に入れたままで大丈夫?

小線源からでる放射線は1年でほぼゼロになります。小線源はヨウ素125という放射性同位元素を純チタンで密封しています。チタンは人工関節などの多くの医療素材で使用されている安全性の高い金属です。入れたままのMRI検査にも支障はなく、また空港などでの金属探知機の検査も問題ありません。

前立腺摘出手術と比較!メリット・デメリットは?

前立腺摘出手術と小線源療法を比較してみました。

項目 摘出手術(主にダヴィンチ) 小線源療法
治療の対象 ステージB,C 一部のDまで ステージBで悪性度が低いがん
入院日数 10日間 3~4日
手術時間 2~4時間 1時間半
副作用のリスク 尿漏れ・勃起障害(ダヴィンチ手術によりリスクが下がってきた) 排尿困難、尿道狭窄、血尿など
根治 望める 悪性度が低ければほぼ望める
保険 適用 適用

手術と放射線、どう選ぶか

確実に「根治」したいなら、摘出手術が安心感があります。手術による合併症として、尿失禁や勃起障害などが挙げられますが、ダヴィンチ手術の登場以降、合併症のリスクは大きく減少しました。一方、小線源療法は患者さんへの身体的負担が少なく、高齢者でも受けられるというメリットがありますが、悪性度の低いがんが対象となり、手術後尿が出にくい状態が続くことがあります。治療法の選択に関しては、術後のQOLなども含めて、医師からの詳しい説明を受けたうえで検討することが大切です。手術にしても放射線治療にしても、一度治療を受けたら元に戻すことはできません。インフォームドコンセントの際に医師から患者さんに提示されるのは、基本的には医学的なデータだけです。患者さん自身のライフスタイルや価値観も治療法選択の重要なポイントになります。度の治療法を選んでも、結果がいつも予定通りとは限りません。それだけに、自分自身が納得できる選択をすることが大切なのです。


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