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限局性前立腺がんとは


限局性前立腺がんはがん細胞が前立腺の中だけにとどままっているものを指します。ステージでいうと病期A~B、TNM分類でT1~T2にあたり、根治を目指すことが可能な前立腺がんになります。

限局がん

限局性前立腺がんの症状

前立腺がんの進行度はTMN分類と病期で分類されています。TNMとはtumor(腫瘍)、nodes(リンパ節)、metastasis(転移)のことで、Tは「がんが前立腺の中にとどまっているか、周囲の臓器や組織にまで浸潤しているか」を表し、Nは「リンパ節への転移があるかどうか」を表し、Mは「骨や肺、肝臓などの前立腺から離れた臓器への遠隔転移があるかどうか」を表します。限局がんの中でも、TNM分類T1(ごく小さながん)の場合は全く症状がないことが多く、前立腺の中にがんがとどまっているT2くらいから徐々に症状がでてくるといわれています。前立腺の中にとどまっているのであれば、手術や放射線治療により完治を目指すことが可能です。

詳しくは前立腺がんのステージ・TNM分類をご覧ください

尿に関するトラブル

がんが大きくなり、尿道が圧迫されるようになると、排尿に関するトラブルが現れます。排尿困難、頻尿、残尿感、尿意切迫(尿意を感じると我慢できずに漏らしてしまう)、閉尿(尿がでなくなる)などの症状です。これらの症状は前立腺肥大症の諸症状と似通っていますが、全く別の病気であるため注意が必要です。前立腺肥大症の場合は、比較的早い段階でこれらの症状が現れますが、前立腺がんの場合は初期症状はほとんどないため、これらの症状が現れたときにはT2まで進行していると考えられます。がんが尿道や膀胱まで広がると、排尿トラブルが深刻化するのに加え、排尿以外の症状が現れます。

直腸の違和感

横から見ると、前立腺は直腸の真横にありますので、腫れが大きくなってくるとお尻に違和感を抱く方も少なくありません。長時間の運転やデスクワークでお尻に違和感を抱いたら、一度検診を受けてみましょう。前立腺がんの直腸診では、お尻から指を入れて、腸の壁越しに前立腺を触ります。正常な前立腺はクルミほどの大きさで、表面が滑らかなのですが、前立腺にがんができていると、しこりが現れ、表面もざらざら、ごつごつとして、進行すると大きくなり、石のように硬くなっていることがわかります。前立腺肥大症の場合も大きくなりますが、表面は硬くならず弾力があるので、がんと区別することが可能です。

治療法の選択肢

ごく小さな限局がんは、治療法が選べます。周囲の臓器へ浸潤していたり、転移が始まっていると、治療法の選択肢も少なくなりますし、完治を目指すことが難しくなりますので、ホルモン療法や化学療法で、がんの進行を抑える治療を行うことになります。治療法によって、治療中、治療後の合併症や副作用、術後の生活の質(QOL)も異なってくるので、自分やパートナーの希望を担当医にしっかりと伝えることが重要です。

小さな限局がんの場合

進行を止める方法として、ホルモン療法(内服薬での治療)・放射線治療、根治を目指す方法として手術療法があります。従来は高齢者の患者に用いられることの多かった放射線治療ですが、現在はダヴィンチなどの技術の向上などもあり、心臓疾患や緑内障などの手術ができない患者に限定されることが増えています。また、前立腺がんの放射線治療は、あらかじめテストステロンの値を下げてから照射を行う方が予後はいいことはわかっており、多くの場合そうしたホルモン療法と並行して行われます。ただし、高血圧や糖尿病のある人はテストステロンを下げるとそれによって血圧が上がったり、血糖値の上昇を引き起こしやすくなるので、なるべく手術にて根治した方がいいというのが、泌尿器科医の考え方です。放射線治療は基本的に「がんを取り除く」というより、「がんをセメント漬けにする」といったイメージに近い治療法です。

前立腺全体に広がった大きな限局がん

大きくなればなるほど、放射線治療は難しくなります。悪性度が高いがんには手術をしてからさらに放射線も照射するような複合的な治療を行うこともあります。全摘出手術の場合、開腹手術と腹腔鏡手術、そしてロボット支援手術のダヴィンチがあり、最近では高齢の患者の体へ負担が少ないダヴィンチが取られることが多くなってきています。ダヴィンチは勃起神経を温存できることが一つの大きな特徴ですが、前立腺全体に大きくがんが広がってしまっている場合は、前立腺の周囲を走っている神経を温存することでがんを取り残してしまう可能性もあるため、その適応については症状に合わせて医師との相談が必要です。ホルモン療法の場合は、男性ホルモンが低下するため、性欲の低下や勃起障害、女性の更年期障害に似た症状が副作用として起こることがあります。


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