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MRI検査でわかること


前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA検査で高い値が出た場合、次に行われるのがMRI検査になります。MRI検査の基礎知識や分かること、費用などを詳しく解説します。
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MRI検査とは

MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査は、磁気(Magnetic)の共鳴( Resonance)を利用して、体内の状態を断面像として撮影する検査です。体内の水素原子が持つ弱い磁気を、強力な磁場で揺さぶることで、原子の状態を画像にします。レントゲン撮影やCTのようにエックス線を使うことなく体内の様子を表すことができます。前立腺のほかにも、脳や卵巣、下腹部、脊椎、四肢などの病巣に関して、圧倒的な検査能力を持っています。検査の概要としては、患者さんはベッドに仰向けに寝た状態で、磁石の埋め込まれた大きなトンネル状の装置の中に入ります。身体への影響が少ないので、手術後の経過観察にも使われています。また刺青や体の中に医療用の金属が入っている場合には、MRIを受けられない可能性もあります。MRI検査の際には詳しい問診があります。

MRI検査の費用

保険適用1割負担の場合で1回7,000円~1,2000円程度が一般的です。MRIの性能を表す磁力の単位を「テスラ」といいます。現在、臨床で使用されているMRI検査機器は、0.2テスラから3.0テスラまでとなっており、この数値が大きいほど、短い検査時間で質の高い画像を描出することができるため、磁気の強さによって支払い価格が変わります。医療報酬点数はテスラの値によってきめられていますが、病院の設備環境によっては、画像診断管理加算で金額が変わる場合もあるので、正確な金額が知りたい場合は、必ず検査前に医師に確認するようにしましょう。なお、健康診断や人間ドックでMRI検査をする場合は、保険適用外で全額負担となります。

MRI検査でわかること

MRIで撮影されが画像から、前立腺がどれくらい肥大しているか、形や大きさを調べて、前立腺肥大症と前立腺がんの、おおよその区別をすることが可能です。がんの疑いがある場合は、前立腺被膜の断裂の仕方や、精嚢へのがんの浸潤をチェックします。前立腺がんの場合は、がんの広がり方や、骨盤内への転移も確認することができます。

前立腺がんかどうか診断できる?

残念ながらMRI検査だけでは前立腺がんかどうかの判断は難しいので、細胞を取って病理検査を行わなければ確定はできないのですが、推測とがんの浸潤が判断できるといってもよいでしょう。前立腺がんかどうかは、前立腺に生検用の針を刺して、組織の一部を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を調べるのが定石です。前立腺のできるだけ広い範囲をチェックできるように、偏りなく12~18ヶ所から採取します。

生検検査を避けることはできないの?

最終的に「がん」と診断するには生検検査での確定が一般的ですが、生検検査は体に負担のかかる検査だけに、がんがない場合は、生検をせずに前立腺肥大症や他の病気との鑑別を済ませたいところです。そのため、PSA値が高く前立腺がんが疑われる場合にも、すぐに生検を受けるわけではありません。生検の前に、直腸診、MRI検査、超音波検査などの詳細な検査を行います。これらの検査を経て、前立腺がんの可能性が高いと判断された場合に、がん診断の最終的な検査である、前立腺生検をすることになります。

生検検査のリスク

生検検査は肛門から直腸の壁越しに生検針を入れる方法と、肛門と陰嚢の間の会陰部から入れる方法があります。前立腺に針を刺すといっても、検査は麻酔をして行うので痛みの心配はありません。ほとんどが局部麻酔か腰椎麻酔ですが、ときには全身麻酔をして行うこともあります。超音波画像で確認をしながら生検針を刺していきます。検査にともなって、出血や感染が起こる可能性があるので、入院し、検査翌日に退院するのが一般的です。生検で採取できる組織は微量であるため、陰性であっても採り逃している可能性があり、がんが全くないとは言い切れません。再生検については、複数の予測因子を組み合わせて検討されます。

拡散強調画像DWIへの期待

拡散強調画像DWIはMRIの一種で、水分子のブラウン運動とよばれる自己拡散(水分子の動きやすさ)を画像化したもので、それを定量化したのもをADC-mapといい、必ずセットで使います。水分子が動きやすい(拡散しやすい)か動きにくい(拡散しにくい)によって、DWIとADCの信号が変わります。水分子が動きにくいという場合、DWIは高信号、ADCは低信号となります。がん細胞は密度の高い組織になりますので、ADC値が低く、拡散強調画像DWIで高信号となり、画像では白く表れます。拡散強調画像で高信号の所見が見られた場合は、その部分を狙って生検を行うことで、精度が飛躍的に向上し、早期がんの発見率を上げることができるのではないかと期待されています。

従来、前立腺がんにおけるMRI検査の役割は、既知の前立腺がんの進展度診断が主で、病巣の検出は困難とされてきました。しかし、技術の進歩により撮影可能になった骨盤部拡散強調画像を用いれば、内腺部に存在する微小な早期前立腺がんの検出や、生検で見逃しがちであった移行部のがんなどを高感度で検出することも可能となりつつあります。


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