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直腸指診でわかること


前立腺がん、前立腺肥大症の検診・診断に行われる直腸指診(ちょくちょうししん)。医師が直腸から指を使って検査する方法ですが、行うことで何が分かるのでしょうか?詳しく解説します。
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前立腺と直腸の位置関係

上記図のように前立腺と直腸は非常に近い位置関係にあります。そのため、直腸に指を挿入すると、直腸の壁越しに前立腺に触れることができます。直腸指診に限らず、超音波や針生検も肛門から行います。直腸指診は比較的簡単に行えるうえに、前立腺がんと前立腺肥大症の判断にも役立つ有用性の高い検査です。

直腸指診でわかること

直腸指診とは、医師が肛門から指を入れて、直腸の壁越しに前立腺付近を触ることによって前立腺の状態を直接調べる検査です。確認できるのは指の長さと同じおよそ10センチのところまでですが、前立腺は肛門から5センチくらいの位置にあるので、ほとんどの場合は届きます。正常な状態であれば、前立腺はくるみ大ほどの大きさで、表面もなめらかなのが特徴です。したがって、前立腺の大きさ、表面の不整の有無、硬さ、痛みの有無などを調べます。前立腺肥大症の場合も、前立腺が大きくなりますが、一般的には表面の状態はなめらかなままだといわれています。がんにかかっている場合は、大きくなるだけでなく、表面が硬くなり、デコボコ状になるため、経験豊富な医師であれば、触っただけですぐに異常を感知することができます。直腸指診はPSA検査が普及する前から広く行われている前立腺がん検査です。検査を受ける際にはズボンと下着を下げ、仰向けで膝を曲げる姿勢になります。横になって、上側の膝を曲げることもあります。このような姿勢をとることや、痛そうというイメージで抵抗感を覚える人がいますが、想像するほど痛みもひどくなく、何より手軽な検査だといえます。リラックスして、肛門括約筋をゆるめるのが、楽に受けるコツです。医師は医療用の手袋をはめますので、感染症の心配もありません。

直腸指診が行われるタイミング

PSA値が高く、検査を勧められる場合に直腸指診は行われます。直腸指診のみで診断されることは少なく、PSA検査や超音波検査、MRI検査などと併用して行われるのが一般的です。

検査時間や注意点

直腸指診は医師が医療用手袋をして肛門から直接指を入れて行う検査なので、手軽に短時間で行うことができるのが特徴です。ズボンと下着を下ろし、診察台の上に仰向けまたは横向きで膝を曲げて寝ます。口を軽く開き、肩の力を抜いてリラックスし、排便をするように軽くいきむと、肛門括約筋が緩んで指が入りやすくなり、痛みも少なく約1~2分で済ませることができます。ただし、医師が一人で行う触診なので客観性に欠ける部分があったり、直腸の壁越しにしか触れられないため、直腸側び前立腺の状態しかわからないというデメリットがあります。また、痔がある人は検査前に医師に伝えるようにしましょう。痔の状態によっては検査を控えることもありますし、検査をする際にも潤滑剤を増量してくれたり、より慎重に行うなどの配慮をしくれるはずです。

がんかどうかの診断ならMRIの方が優れています

超音波検査や直腸指診では、前立腺の「ふくらみ」「しこり」が分かりますが、それだけで「がん」と確定することは難しいといえます。最終的には前立腺生検を行って、がんを確定するのですが、直腸指診や超音波検査に比べるとMRI検査の方が詳細な情報を得ることができます。MRI検査は、強力な磁気を利用して、体内の状態を画像に写し出す検査法です。前立腺がんの検査では、骨盤内全体を調べます。詳細に写し出された画像により、前立腺の形や大きさなどを調べることで、前立腺肥大症と前立腺がんの、おおよその区別を行うことが出来ます。前立腺がんの疑いがある場合は、前立腺皮膜の状態や、精嚢への浸潤の有無をチェックします。がんの広がり方や、骨盤内に転移がないかどうかも確認することができます。MRI検査では時計やアクセサリーを外すのはもちろんですが、ペースメーカーやクリップなど、体内に金属類を入れている人は、必ず医師まで申し出るようにしてください。がんの検査では造影剤を使うこともあります。造影剤のアレルギー経験がある人や、造影剤の使用が初めてで不安がある人は、医師に相談してください。これまで、前立腺がんにおけるMRI検査の役割は、がん病巣の検出ではなく、すでに前立腺がんと診断された患者さんの進展度診断が主なものでした。しかし、技術の向上によって撮影可能となった「骨盤部拡散強調画像」であれば、内腺部にできた微小な前立腺がんを早期段階で発見することも可能となりつつあるのです。したがって、MRI検査であれば針生検の実施前に病気の識別が可能となるうえ、前立腺がんの疑いありと診断された場合も、よりポイントを絞った針生検の指標として活用ができるというメリットもあるのです。


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