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再燃前立腺がんとは


再燃(再発)前立腺がんとは、手術や放射線治療で根治したはずのがんがふたたび進行することです。治療を行った方は定期的にPSA検査を行う場合が多く、そのPSA検査によって数値異常が見られ発見されるケースが多くあります。治療法についても詳しく解説します。

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前立腺がんの再発リスクについて

最初の言葉の定義ですが、再発とは手術での根治後にふたたびがんが発見されたことを言います。また、再燃とは、手術による根治ではない、ホルモン療法などを行った結果、一時的に抑えられたがんがふたたび増殖したことを言います。

アメリカ、メリーランド州のジョンズホプキンス大学で前立腺がん手術後の再発について研究した医師の論文によると、前立腺がんの根治的手術を行ったとしても、その後の10年間で、約35%の患者はPSA値(PSA検査についてはこちらへ)が上昇するとされています。
術後にPSAが上昇すると言うことは、体内で前立腺がん細胞の増殖があることであり、すなわち再発を意味します。これをPSA再発と言います。PSA検査は、健康なときに進んで受ける人の数が日本ではまだ少ないのですが、前立腺がんの早期発見には役立つ検査であり、再発したかどうかを確認するには欠かせない検査です。

PSAではなく、触診や画像検査で再発が確認されることもあります。これを臨床的再発と言います。この場合にはかなりがんが進行していると考えられます。

【摘出手術後・生検検査後ならグリソンスコアに合わせて対処できる】

グリソンスコアとは、前立腺がんの悪性度を測る指標です。1「もっともおとなしく見える」から5「もっとも悪性度が高く見える」までを5段階であらわします。合計数値が2から6以内なら「おとなしい」状態、7は「中間」、8以上は「悪性度が高い」となります。
この3つのパターンのどこに入るかが分かれば、その後の治療法を選ぶ指針となります。

再燃前立腺がんの治療法

再発/再燃した場合、どの治療法を取っていくのかは、以前にどのような治療を行ったかによって変わってきます。

【手術の治療の場合】

・放射線治療またはホルモン療法が中心

期間2〜4週明けて計測したPSAの値が、2回連続して0.2ng/mLを越えたときに再発と考えられますが、この場合にはまずPSAが0.5mg/mL未満の間に放射線治療を行います。これはいわゆる救済療法です。さらに進行している場合には、放射線治療では効果が薄いため、救済ホルモン療法が効果的です。具体的には、PSAの値が倍になるのが10ヶ月以内(早いほど重症)、あるいはグリソンスコアが8〜10の場合です。

【放射線治療だけだった場合】

・ホルモン療法が中心

治療終了後、PSAが最低値から2ng/mL異常上昇した場合は再燃が疑われます。多くはホルモン療法で男性ホルモンを抑える治療を行います。
再発が局所だった場合(局所再発)には、前立腺摘除手術、凍結療法、高密度焦点式超音波治療、組織内照射療法といった治療が根治的治療としてありますが、どの療法が最適かは意見の分かれるところとなっています。

【ホルモン療法(内分泌療法)を受けた場合】

・種類の変更または抗がん剤治療

再燃(ホルモン療法で収まったがんがふたたび増殖した)の場合には、ホルモン療法の種類の変更や、抗がん剤治療を行うと言った対処が取られます。

前立腺がんは患者個別に状況も状態も異なることがあり、また、患者自身の希望による治療法の選択もあります。しばらくは進行の状況を確認しながら経過観察ということも可能ですので、一律に治療法が決まっているわけではありません。
しかし、骨転移などがあり痛みがある場合には、緩和ケアなどを行い、QOLを高めていきます。

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放射線治療

再発以前に放射線治療を受けていた場合は、再発後に同じ場所への放射線照射は難しくなります。しかし、前立腺意外へ影響を与えない小線源療法なら可能な場合があります。小線源シードによるサルベージ療法は、一部の医療機関では行われている療法です。
PSAが上がって再発とされた場合でも、体のどこにがんがあるのか、不明な場合も多々あります。そのようなときには放射線治療はあまり意味を持ちません。全身に広く薄く照射することで小さながんも消してしまおうというのも1つの判断ですが、ホルモン療法でがんの様子を見ながら共存を選ぶ人も多いのです。患者自身の意思と希望と、治療を良くすりあわせることが大切です。

ホルモン療法

PSA検査ではなく触診や画像検査で再発が確認されたケースは、がんが進行していることが多く、がんが散らばっているような場合はホルモン療法や化学療法(抗がん剤治療)が中心になります。
ホルモン剤の投与で経過を観察しながら、PSAが上がると薬を変えるなどし、PSAの値を見ながら長くがんと共存している患者も多くいます。
再燃の場合には抗アンドロゲン薬を増やしたり、交替療法を行います。

化学療法(抗がん剤治療)

再発、再燃の際の抗がん剤治療は、男性ホルモンの働きを抑える抗アンドロゲン剤を用いますが、状態に応じて薬を変える交替療法を行っていきます。交替療法の効果がなくなってきた場合は、抗がん剤を用いることになります。併用することも多く、最終的にはタキサン系の抗がん剤を用いた化学療法を用いていきます。カバジタキセル、ドセタキセルなどの薬剤があります。これは最終的な手段であり、末梢神経障害など副作用もあるため、患者の意思の確認や希望に基づいて行う治療でもあります。


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