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前立腺がんとタバコと食生活の関係


喫煙者はがんのリスクが高いのは通説ですが、前立腺がんにおいてはどれくらいリスクが上がるのでしょうか?また食生活で意識すべきものは?詳しく解説していきます。
喫煙

前立腺がんとタバコの関係

独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループの報告によると、PSA検査を受けずに、自覚症状で発見された前立腺がんに限定して、飲酒と喫煙との関連性を検討した結果、飲酒については、限局前立腺がんとの関連がみられませんでしたが、進行がんにおいては酒を飲まないグループに比べ、週当たりの摂取量が多いグループの方が、リスクが高いという結果が出ています。一方、喫煙についても、統計学的有意ではありませんが、たばこを吸わないグループに比べて、吸うグループの進行性前立腺がんのリスクが高いという結果が報告されています。
喫煙と前立腺がん
出典:
飲酒・喫煙と前立腺がんとの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループ

注目すべき点は、PSA検査を受けておらず自覚症状で前立腺がんが発見された方の数値です。PSA検査を定期的に受けている方は、喫煙者・非喫煙者に関わらず「健康志向が強い」というバイアスがかかっています。自覚症状で前立腺がんが発見され、かつ進行がんであるリスクは他と比べて抜けて多いのがわかります。前立腺がんが心配な人は、定期的なPSA検査と早期の禁煙が肝心だと言えそうです。つまり、たばこを吸う人ほど、定期的なPSA検査が必要だと言えるでしょう。

喫煙は悪性度の強いがんのリスクになる

米国の症例対照研究で、前立腺がんにかかった中高年男性と、前立腺がんがない同年齢層の男性を比較した際に、喫煙には発症リスクだけでなく、より悪性度が強いがんを増やす恐れがあるという研究結果が発表されました。前立腺がんは他のがんに比べ、進行も遅く、命をおびやかさない「いいがん」である場合もありますが、悪性度の高いがんは進行が早く転移しやすいため、速やかに治療をスタートさせることになります。
>がんの悪性度についてはこちらをお読みください。

食生活で注意すべき点

日本で前立腺がんが増加している背景には、食の欧米化が大きな要素ではないかと言われています。高たんぱく質・高脂肪の食事をしている人は、食生活の見直しをして、予防を心がけましょう。喫煙者の方は特に食事に気を遣うべきだと考えます。

前立腺がんは炭水化物より動物性脂肪が好き

がん予防には、積極的に摂取した方がいい食品があるのと同様に、摂取しない方がいい食品も存在します。前立腺がんと乳がんは、動物性脂肪依存型のがんです。日頃、何気なく摂っている食品の中で、特に危険度の高さで首位を独走するのが「牛乳」です。牛乳はコップ1杯でベーコン5枚分に相当する動物性脂肪があります。もちろん、成長期における牛乳は有益ですし、発育段階では動物性脂肪依存型のがんが出来る可能性は極めて低いので、前立腺がんや乳がんの予防に子どもに牛乳を控えさせる必要はありません。しかし、成人した大人の場合、カルシウムは他の食品から摂取することが可能ですし、まして生殖時期を終えた高齢者が志望含有率の高い牛乳を摂取する必要はありません。これは前立腺がん大国であるアメリカではすでによく知られており、スーパーなどで売られている牛乳のほとんどが「無脂肪」か「低脂肪」です。一方、日本のスーパーでは「成分無調整」が圧倒的なシェアを占めています。これは、無調整の方が何となく体によさそうという消費者心理があることも関係しているように思われます。脂肪や糖分の入っていない乳製品は風味が劣るのは否めませんが、前立腺がんと乳がん予防を考えなければならない中高年の男女は、なるべく低脂肪のものを摂ることを心がけましょう。

「トマト」「ワイン」「大豆」がおすすめ

前立腺がんの予防に向けて、効果が確認されている食品は積極的に摂取していきたいところです。これまでの研究で、最もエビデンスが強いのは「トマト」です。トマト料理といえば、地中海料理ですが、実は地中海沿岸は前立腺がん患者が少ない地域でもあるのです。また、イタリアではトマト入りのパスタが好きな人の方が、前立腺がんになりにくいということもいわれています。一方、フランスでは動物性脂肪を多く摂取するのに、心筋梗塞が少なく、これはフレンチパラドックスともいわれています。赤ワインに含まれる強力な抗酸化物質レスベラトロールに予防効果があるのではないかと考えられています。ひと昔前まで、アジアで前立腺がんが少なかったのは、大豆からタンパク質を摂っていたからだと考えられています。特に豆腐や枝豆などの方が、味噌や納豆などよりもいいようです。これは大豆に含まれる大豆イソフラボンという成分が腸内細菌の作用で、発がん作用を抑えるエコールというう物質に変わるためです。1点注意をしていただきたいのは、大豆を極端に摂りすぎると逆効果になりかねないということです。大豆には女性ホルモンのエストロゲンににた作用があるため、テストステロンの働きを邪魔して「悪いがん」を作る素因となる危険性があるのです。よほど大豆ばかりを食べない限りは問題ありませんが、適度な摂取を心がけてください。

アブラナ科の野菜は抗がん作用

アブラナ科の野菜は、総じて前立腺がんの予防に効果が期待できます。ブロッコリー、小松菜、キャベツ、大根の葉、芽キャベツ、カリフラワー、カブ、ワサビなどが挙げられます。アブラナ科の植物にはイソチオシアネートという辛み成分が含まれています。このイソチオシアネートは「アポトーシス」といって、がん細胞を自殺に追い込む作用を持っており、抗がん作用があるといわれています。アブラナ科の野菜は和食ではおなじみのものが多いので、普段の食事にも簡単にたくさん取り入れられます。ワサビはお刺身などと一緒に少量しか食べられませんが、最近ではワサビ成分のサプリメントも出ているので、より手軽にイソチオシアネートを摂取することが出来るようになりました。

前立腺がんの原因と予防法

前立腺がんの原因と予防法は他にもあります。喫煙者は特に食生活以外でも、予防するために改善すべき生活習慣がないか、一度見直してみることが大切です。

>詳しくは「前立腺がんの原因・予防」もご覧ください。

 


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