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局所進行前立腺がんとは


局所進行前立腺がんは転移はないが前立腺の外に広がっている進行がんということになり、治療法は限局がんに比べると狭まってきます。詳しく解説していきます。

局所進行

局所進行前立腺がんの状態と症状

局所進行前立腺がんとはどのようながんでしょうか。局所進行がんとは、「転移はしていないが、前立腺の臓器を覆っている皮膜を越えて、がんが周囲に進展している」状態のことをいいます。つまり、前立腺がんでいえば、前立腺周囲の脂肪や筋肉にまで浸潤し、がんが及んでいるような状態のことを指します。前立腺がんの場合、局所進行で浸潤しやすいのは前立腺の近くにある精嚢です。
局所進行がんでは、局所に限局されたがんよりはやや進行している状態といえるでしょう。しかし、前立腺に接していない場所への転移ではないため、治療によりがんをコントロールすることはまだ可能な状態です。
前立腺がん自体、初期には自覚症状がほとんど無いので局所進行前立腺がんとなったことによる特徴的な症状は少ないですが、精嚢に進出した場合、精液が赤くなったりすることがあります。あとは残尿感や頻尿、夜間頻尿など、一般的に前立腺がん全般での症状を呈します。
局所進行前立腺がんは、TNM分類でいうステージはT3またはT4の段階です。

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局所進行前立腺がんの治療法

前立腺内にがんがとどまっている状態であれば手術や放射線治療が効果を見せますが、局所進行前立腺がんは、転移はしていないけれども、前立腺と接している臓器などに広がっているがんなので、手術、放射線ともあまり効果的ではないというのが少し前までの定説でした。
そのため、以前は薬物治療が中心でしたが、最近の知見では前立腺摘除手術でも効果が見られ、また、放射線治療も有効とされるようになりました。

【前立腺がんの主な治療法】

前立腺がんの治療法は「手術」(前立腺摘除、ダヴィンチ)、「放射線」「薬物治療」(男性ホルモン「テストステロン」を抑制、または抗がん剤治療)があります。

●手術

手術は状態により方法がいろいろあります。ある程度がんが広がっている場合は、手術の前の数ヶ月(3ヶ月〜1年ぐらい)、内分泌治療としてホルモン剤を用い、男性ホルモンを抑制させ、がんを小さくした後に手術を行うこともあります。悪性度が高いがんの場合には、手術の後に放射線治療も行っていきます。

●放射線治療

ブラキセラピー(小線源療法)……悪性度の低いがんの場合でグリソンスコアが6の場合が対象。前立腺の中に、放射線を発する小さいシードを埋め込む方法です。2泊3日程度の入院で終了する簡単な治療です。
通常の放射線治療(IMRT、重粒子線治療)……IMRTは患者個々の前立腺の形に合わせた放射線治療で、副作用が少なくてすみます。
重粒子線治療は、直接放射線を前立腺に当てる治療ですが、保険適用外のため高額になります。ただし、効果が高いので治療期間が短いというメリットもあります。
ちなみに、放射線治療は原則、薬物治療と合併して行います。

●薬物治療

男性ホルモンを抑える薬による治療と、抗がん剤治療があります。かつてはまず男性ホルモンを抑える治療を行い、効かなくなってきてから抗がん剤治療を行うやり方が主流でしたが、最近の研究では早い内に抗がん剤を導入した方が、生存期が長いことが分かっています。

局所進行前立腺がんと分かったときにどのような治療を選択するかは、状態を見ながら個々に判断していきますが、時には再発も視野に入れ、手術とそのほかの方法を組み合わせるなど、数年先を見越したプランを立てることもあります。

手術・放射線治療は選びにくい

局所進行前立腺がんは前立腺の外にがんが湿潤しているため、軽度の場合は前立腺摘除手術のみで治る場合もありますが、ほかの治療法と組み合わせて治療するのが一般的です。
最初に前立腺全摘手術を行い、経過を見ながら再発があった際には放射線治療や薬物療法(男性ホルモン抑制)を行うという方法もその1つです。

がんの広がっている状況や、PSA値などにより、個別に対応が異なります。放射線治療とホルモン治療を併用する場合、また、ホルモン治療を中心にする場合など、患者さんの状態に合わせて選択します。

いずれにしても、手術、放射線、薬物療法いずれか単独だけで完治を目指すのは難しいので、患者本人の希望に添いながら、最適な療法を選択していくことが大切になります。

局所進行がんの生存率

前立腺の局所進行がんは病期でいうとステージC(Ⅲ)になりますが、生存率は他のがんに比べると高くなっています。下記グラフをご覧ください。

領域生存率グラフ

「領域」が局所進行がんと同等の意味になりますが、5年相対生存率は全がんの平均と比べても2倍程度になっています。転移・再発しやすい肝臓がんと比較すると5倍程度。前立腺がんは「命を脅かさないがん」と表現されることもあり、手術を行わずホルモン療法だけで進行を遅らせながら別の病気で亡くなる方も多いのです。

詳しくは「前立腺がんの生存率・死亡率」もご覧ください。


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