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転移性前立腺がんとは


転移性前立腺がんとは、がんが前立腺以外の臓器やリンパ、骨・骨髄に転移している状態です。治療方法はホルモン療法と化学療法(抗がん剤治療)になり、根治を目指す治療ではなく進行を抑える治療になります。詳しく解説していきます。

転移がん

転移性前立腺がんの状態と症状

転移性前立腺がんは、がんが前立腺と接していない離れた場所に転移した状態を指します。リンパ節や骨転移、それ以外の臓器への転移が見られるような状態です。進行の度合いにもよりますが、完治は難しい状態に入っているといえます。
ただし、リンパ節転移でも小さな転移のみの場合には、治癒の可能性があるともされています。進行度は進んだ状態ではありますが、QOLを保ち10年以上の長期にわたり生活している患者さんもいます。
TNM分類でいうと、転移性前立腺がんはN1(前立腺に近いリンパ節に湿潤)、M1a(前立腺から離れたリンパ節転移)、M1b(骨転移)、M1c(リンパ節・骨以外への臓器への転移)となります。

前立腺がんの転移

【現れる症状】

転移する場所によって症状は異なってきますが、前立腺がんで転移しやすい場所は骨や骨盤リンパ節です。これら骨転移があった場合は、それまでの排尿障害と同時に骨痛、神経の圧迫、圧迫骨折など骨に関連する痛みや症状が現れてきます。骨痛や骨折により、前立腺がんが発見されることもあります。極端な場合には、背中の骨に転移をして進行し、脊髄を圧迫したことで手足の麻痺が起こったり、排尿、排便が不自由になるという症状が急に現れることさえあります。
逆にいえば、ある程度進行するまで症状に気がつかないこともあるのが前立腺がんだともいえます。

転移性前立腺がんの治療法

この段階では、残念ながら完治は難しい状況です。進行抑制と痛みの緩和がメインの治療となります。
ただし、以前ではこの段階での手術は行われませんでしたが、最近では前立腺そのものに対する手術療法(前立腺摘除)や放射線療法も有効という結果が出ているので、以前よりは選択肢も増えました。
いずれにしても、どこへの転移かを確認した上で治療方針を立てていきます。

【骨転移の場合】

前立腺がんの転移で8割以上という高い比率を占めるのが骨です。転移していないかどうかを調べる際には、「骨シンチグラフィ」という方法(静脈に、病変がある部分に集まる性質を持つ、無害な放射性物質を注射して撮影する)でチェックを行います。もし骨に転移があった場合は痛みや麻痺など、骨転移で出やすい症状を抑える治療を行っていきます。

【リンパ節転移の場合】

リンパ節への転移は、骨転移に次いで4割という確率で発生します。リンパ節の中でも、前立腺に近い場所への転移が多く見られます。
CTによる検査で転移の様子を確認し、転移があると分かった場合は男性ホルモンを抑制するホルモン療法を行っていきます。

【放射線治療とホルモン療法の組み合わせ】

転移性前立腺がんの場合でも手術が有効と前述しましたが、体のあちこちに転移している場合は前立腺摘除の手術は行っても意味がないことになります。

中心となるのは、局所ではなく全身を対象とした薬物療法です。内分泌療法や化学療法がこれにあたります。
男性ホルモン(テストステロン)を抑制するホルモン療法を主力にする場合や、放射線の外部照射治療にホルモン療法を加える場合など、患者の状態、そして患者本人の希望などを考慮しながらの治療となっていきます。
転移が起こってもQOLを保ちつつ治療を行っていくことはできますし、長期間、治療を続けつつがんと共存している患者もいます。

転移性がんの生存率

他の臓器に転移している前立腺がんは病期でいうとステージD(Ⅳ)になりますが、それでも5年生存率は他のがんとくらべて高い数値となっています。

転移生存率グラフ

胃がんや肝臓がんの5年相対生存率が数%しかない中、前立腺がんは40%以上。ホルモン療法に加えて抗がん剤治療を行うことで延命できることが多いのが特徴です。

詳しくは「前立腺がんのステージ別生存率や死亡率」をご覧ください。


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