前立腺がん治療を受けておられる方、治療が終わった方への情報サイト

前立腺がんのステージ別生存率や死亡率


前立腺がんの生存率・死亡率を「最新がん統計」からステージ別にわかりやすくまとめました。生涯がんリスクは、男性は4人に1人の26%でその中前立腺がんはたった1%ですが、年齢が上がるごとにその割合は多くなっています。

考え事をするシニア男性

前立腺がんの死亡率は低い?

前立腺がんの死亡率は低いといわれていますが、一方で今、日本の男性でもっとも増加しているがんは前立腺がんです。

前立腺がん死亡率

前立腺がんで重要なのは、がんの有無ではなく、悪性度の高低です。(悪性度についてはこちらをご覧ください
悪性度の低いがんであれば、急いで手術をしたり抗がん剤治療をする必要はなく、がんを持ったまま長生きをして天寿を全うする人も少なくありません。他の死因で亡くなられた方を解剖すると約半数に前立腺がんが見つかったという研究データもあります。そして、発見された前立腺がんの半数は、もし生存中に医師が見つけていたら治療されていたかもしれない状態であったにも関わらず、いずれも死因にはならなかったということです。

死亡する恐れがある、治療すべき「がん」とは

最近の研究では、多くの前立腺がんで積極的な治療を行わず、無治療経過観察をすることが効果的であるとの可能性が報告されています。つまり、先ほども言った通り、重要なのは悪性度の高低ですから、がん細胞によっては進行が非常に遅いものがあり、急いで治療をする必要がないものが含まれているということなのです。それどころか治療が不必要ながんを積極的に治療することで無用な副作用を生む可能性もあるのです。では、悪性度の高いがんというのは、どういうものなのでしょうか?よく「がんが転移した」とか「転移の危険性がある」といった表現をしますが、他の臓器への転移というのは人間が考えるほど簡単ではありません。がん細胞の多くは、最初にできた臓器を離れると死んでしまいます。悪性度の高いがんは非常に低い確率ながら、生まれ故郷を離れても生存する力を備えているがんだといえるでしょう。これが人の命を奪うがんです。転移がはっきりと確認されたがんで治癒できるものは極めて限られていますので、進行が遅いからと楽観視せず、転移する場合も考えて治療方法を医師と相談することが大切です。

60代から急激に増える死亡率

がん全体で死亡する人に対し、前立腺がんでの死亡の割合は50代後半から徐々に増え、60代から多くなっています。がんは全般的に高齢化するほどに増加する傾向にありますが、前立腺がんは特にゆっくりと進行して高齢になったから発症することが多いことや、圧倒的に数の多い団塊世代がちょうどそういう時期に差し掛かっていることが影響していると考えられます。

前立腺がんの生存率前立腺がんの生存率

病期ごとの5年相対生存率をみてみると、限局ではほぼ100%、領域で90%超、遠隔転移している場合でも、50%ほどという統計結果となり、全がんの中でも生存率は高いがんであるということがわかります。

死亡率グラフ

とはいえ、やはり進行がんですので、骨や他の臓器に転移した場合は排尿障害の他に痛みを伴ったりと、他のがん同様苦しい闘病生活となる場合もあることも頭に入れておきましょう。

早期発見と治療がカギを握る

前立腺がんは進行が遅く、早期発見と治療がカギを握ります。ですが、前立腺がんは尿道から離れた前立腺の外側に発生することが多いため、早期ではほとんど自覚症状がなく、従って自覚症状による早期発見の期待ができないがんです。排尿障害などの自覚症状が出るころにはかなり進行した状態です。普段から集団検診や人間ドックで定期的に検査をすることが早期発見に有効です。

50代から定期的なPSA検査を

50代からは定期的なPSA検査を受けましょう。PSA検査についてはこちらをご覧ください
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA検査は誰でも簡単に受けることができます。少量の血液を採取するだけで検査できるので、何らかの理由で病院に行くことが困難な人は「PSA郵送検査」という方法もあります。自宅で申し込みから検査結果の受け取りまで可能です。郵送検査の費用は4,000円程度が相場です。
病院で検査を行う場合は、必ずしも泌尿器科である必要はなく、内科、小児科、外科、整形外科、耳鼻咽喉科、皮膚科でも、採血さえできるのであればどこでも構いません。自分のところで検査結果を出せる医療機関は限られており、どのみち外注として検査機関に送ることになるからです。風邪やアレルギーなどで病院を訪れた際に採血をしてもらい、PSA検査も一緒にしてもらうことも可能というわけです。普段からあまり病院にかからないという人は、自治体の健康診断や人間ドックなどでオプション追加するのがよいでしょう。費用についてはピンキリで、自治体によっては無料のところもあるようですが、通常、初期段階では自覚症状がありませんので、保険適用外となります。数百円で済む自治体もあれば、5,000円くらいかかる場合もあります。一度、ご自分がお住まいの地域の制度を確認してみましょう。ちなみにPSA検査は1回すればOKというものではありません。頻度については、数値に問題がない場合は2年に1回、数値に不安があるなら年1回を目安にしましょう。また、家族に前立腺がんにかかられた方がいる場合は40歳からの検診をおすすめします。

症状が出る前から治療を

前立腺がんは、頻尿・尿も漏れ、血尿などの大きな症状が出るころには、かなり進行していると考えられます。前立腺がんの治療には、外科手術や化学療法、放射線治療、ホルモン療法などがあり、患者さんの体力や治療後の生活スタイルなども尊重して治療法を選択することが大切です。また、前立腺がんは進行が遅いため、年齢によっては命にかかわらないと判断された場合などに無治療経過観察を行う待機療法をとることもあります。いずれにしても、早期なら根治も可能な病気ですので、定期的なPSA検査をされることをおすすめします。


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