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前立腺がんの治療


前立腺がんの各ステージにおける治療法やお薬、手術や術後などを詳しく解説します。治療を開始する前にぜひお読みください。

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治療の種類

前立腺がんの治療はステージによって変わりますが、それぞれが並列的に存在するのではなく、年齢のファクター、がんの悪性度、がんの進行度の、3つの次元によって判断されます。
がんの悪性度について、最も分かりやすいのは、がんが前立腺の中に比較的とどまっているか、転移しているかの違いです。
これまでは転移している場合には薬物療法のみが対象となっていましたが、最近の研究では転移があっても、前立腺そのものに対する手術療法(前立腺の摘除)あるいは放射線療法が有効だという結果が出てきています。
多岐にわたる治療法の中から、どれを選択するかは個々の患者さんのがんによるリスクを考慮した上で、医師から説明される治療法のメリット・デメリットを検討して選ぶことが大切です。

【手術療法】

手術に関してはいくつか種類があります。まず、手術だけで治療が完結する場合、さらに勃起神経の温存をする場合としない場合があります。
がんの広がりが大きい場合は、手術の前に数ヶ月間ホルモン療法をし、がんを小さくしてから手術をすることもあります。
→前立腺全摘手術について
→ロボット支援手術(ダヴィンチ)
→ロボット支援手術「ダヴィンチ」の活躍と魅力

【放射線療法】

悪性度が極めて高いがんでは、ホルモン療法と手術をした後に、速やかに放射線治療も加えます。放射線治療にもいくつか種類がありますが、ブラキセラピー(小線源療法)と通常の放射線治療(IMRT、重粒子線治療)が主です。IMRTという方法を用いて、個々人の前立腺の形に合わせて放射線治療ができるようになったため、副作用が減っています。放射線治療は原則、薬剤の治療を合併して行います。

【ホルモン療法】

男性ホルモンの影響を受けて進行する特性を利用し、薬物で男性ホルモンを抑制する療法で、薬物療法や内分泌療法ともいいます。ホルモン療法は効果の高い治療法ですが、続けていくうちに効果が薄れてきます。男性ホルモンを抑制することで押さえこまれていたがん細胞が、男性ホルモンなしでも増殖する性質を獲得するためです。
→ホルモン療法について

【テストステロンを下げる治療薬】
男性ホルモンを抑制するために多く使われるのはLHRHアゴニスト (リュープリン、ゾラデックス) あるいはLHRHアンタゴニスト (ゴナックス)というホルモン注射薬です。脳下垂体に働きかけ精巣からのホルモン分泌を抑制します。男性ホルモンは精巣のほかに副腎でも作られているため、注射薬だけでは不十分と判断された場合は、前立腺の男性ホルモンの取り込みをブロックする抗アンドロゲン剤 (カソデックス、ビカルタミド、プロスタール、オダイン)の内服も併用します。副作用としては女性の更年期障害に似た症状が頻出するほか、体重の増加などもみられます。また、EDを含む性機能障害も起こります。LHRHアゴニスト・アンタゴニストの効果が無くなった状態を「去勢抵抗性」といいます。この場合には、イクスタンジやザイティガという薬の服用や、後述する化学療法がおこなわれます。
→前立腺がんと男性ホルモン「テストステロン」の関係、治療薬について
→リュープリンについて
→ゴナックスでの治療と副作用~各種ホルモン治療薬との違いとは~
→ゾラデックスでの治療法・副作用とその対処法
→イクスタンジとは~効果・副作用とその対策まで~

→放射線治療・ホルモン療法後にPSA値が上昇したときの選択肢とは

【化学療法(抗がん剤治療)】

前立腺がんの薬物療法としては、大きく分けて、男性ホルモン「テストステロン」を抑える治療と、抗がん剤治療の2つがあります。薬物療法としてはテストステロンを抑える治療が主体ですが、これまでは男性ホルモンを抑える治療が効かなくなってから抗がん剤を利用していました。しかし、最近の研究では、比較的早めから抗がん剤を導入したほうが、生存期が長いことが分かってきました。できる限り長く治療を続けるには、副作用の対策が重要となります。

【前立腺がんで使われる抗がん剤】
ホルモン療法で再燃がみられた場合や、転移している進行がんについては、抗がん剤を使った化学療法を行います。ドセタキセル(タキソテール)という抗がん剤が臨床試験では約6割の患者さんに効果があることが確認されております。副作用としては下痢や吐き気、嘔吐などのほか、脱毛や発疹がみられます。また、浮腫(むくみ)がおこるのも特徴的です。ドセタキセルへの耐性ができ効果が見られなくなった場合には、カバジタキセル(ジェブタナ)が有効です。吐き気、疲労、食欲減退などの副作用がみられることがありますが、ドセタキセルのように耐性が生じることはないと考えられています。
→ホルモン抵抗性前立腺がんの新規治療薬
→前立腺がんが骨転移したときの治療薬

術後の生活と治療について

手術療法を選択した場合、これまでの開腹手術や腹腔鏡手術では、前立腺を摘除するときに尿の漏れを防ぐ括約筋や周辺の勃起神経に傷がついてしまい、手術後に排尿や性機能に長期間障害が残ってしまうことがありました。前立腺を包む排尿と勃起に関係する神経を温存することで性機能を残す術式もありますので、性機能を残したい方は医師に相談してみましょう。

【最近世界的に導入されているロボット手術・ダヴィンチ】
ダヴィンチ手術は、前立腺を包む勃起に関係する神経を残すことで性機能を保ち、また括約筋に傷をつけないで、手術後の尿の漏れを最小限にすることが可能になっております。
→詳しくはこちら
【前立腺全摘手術】
大きくお腹を切って前立腺を取り除く手術で、以前から行われてきた方法です。ある程度の出血があるため輸血が必要な事が多く、自己血貯血を行なってから手術に臨む事が多いです。傷の痛みや術後の尿漏れ、性機能障害の頻度が比較的高い術式です。あらかじめ主治医からきちんと説明を受け、パートナーとも相談しておくことが大切です。
→前立腺がんの手術を受けると尿が漏れる!?
→前立線摘出の手術後の勃起機能について

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